魚の話

さかな料理のコツ

1.わたは手際よく処理、水洗いは素早く!!
新鮮な魚を買ってきたら、すぐにえら、内臓を除いておきます。専用の出刃包丁や柳刃があると、料理の出来上がりもきれいでおいしくなります。まな板、布巾も魚用を準備したいもの。まな板は、使用前に必ずぬらしておきましょう。うろこ、えら、わたは、取り出したら魚につけないようにまとめてすぐごみ箱に。魚は流水で手早く洗います。血合いも残さないよう取り去って、立て塩で洗い流します。魚に触れたり洗ったりする回数はできるだけ少なく。手際のよさがものをいいます。頭は頭、内臓は内臓でまとめて手順よく合理的に。また、まな板の下に新聞紙を敷いておくと、うろこが飛び散らないし、わたもそのまま丸めて捨てられます。この後、3枚におろすときは、まな板の水気をよく拭き取ってから。わたを出し、水洗いが終わった魚や切身をさらに水であらうのは、味が落ちてしまうので禁物です。使用後のまな板は流水で洗ってからよく乾燥させます。レモンの切れ端でこすっておくと除臭効果があります。
2.使い捨て調理シートでにおいを移さない
生ぐさいにおいが気になる魚の調理。思いきって使い捨てシートを使うと道具ににおいがつくのを防げます、たとえば、脱水シートには、魚に塩を振るのと同じ効果があるので、振り塩をしなくても、シートにはさんで冷蔵庫に入れておけばよいのです。また、布巾の代わりにはキッチンペーパーを。オーブン用シートは落としぶたにも、蒸しものにも使うことができます。
3.においの気になる魚は早めに下ごしらえを

背が緑、青、紫紺、黒をした青魚は、群れをなし大洋を高速で泳ぎます。そのため肉量、脂肪、血液も多く、血合い肉も発達。いわし、さば、かつお、さんま、あじ、ぶりなどの赤身の魚はくさみも強いもの。下ごしらえをすると、くさみをとることができます。

●塩を振る

魚を焼く前に振り塩をしておくことで、水分と一緒に生ぐさみを逃がします。

●酢を使う

酢や柑橘類の酸味は、魚肉のアミノ酸と作用することで生ぐさみを消し、肉もしまります。

●酒やみりんに浸す

酒やみりんのアルコールがくさみをやわらげ、まろやかに。醤油や酒に浸して下味をつけます。

●牛乳や生クリームに漬ける

ムニエルをつくるときは、牛乳に浸しておくと余分なくさみがとれます。生クリームを使えばさらに効果的。

4.洋風料理にはハーブ、スパイスで香りを移す

少量でも強い香りのハーブやスパイスは、魚特有のにおいを消し風味を加えます。生で使うもの、ドライハーブが効果的なもの、加熱に向くもの、香りづけ用などハーブの特徴を生かして使いましょう。

●フェンネル

濃厚な味と香りが、生ぐささ、脂っこさの強い魚向き。ソテー、香草蒸しに。種も使用。

●ディル

魚用のハーブ。さけ、にしん、いわしのマリネなどに。

●コリアンダー(香菜)

くせの強い特有の香り。中国料理、エスニック料理に生の葉を薬味的に使う。

●タラゴン

繊細な甘みと芳香。白身魚など淡白なものやビネガーに。

●チャイブ

あさつきを細くしたようなハーブ。香りも味もマイルド。生でスープの浮き実やサラダに。

●チャービル

パセリに似た姿で優しい香り。生か弱い加熱で用いる。

●パセリ

洋風料理には相性がよい。

●ベイリーフ

生の枝は燻製に、乾燥葉は煮込み料理に。

●セイジ

薬くさいが、くさみや脂分を消す。

●レモンバーム

レモンの香りを活用。

●サフラン

パエリア、ブイヤベースには欠かせない。

●タイム

芳香が強く、生でも乾燥葉でも使う。長時間の加熱料理にも。

5.昔からの調理の知恵でうまさを引き出す
刺身に添えるしょうがやわさびは、おろすと辛み成分を発揮、魚臭を弱めて豊かな風味を与えます。かつおの刺身に添えるにんにくも、その辛み成分が魚のうまみを増進。しょうがの香気成分ショーガオールは煮魚にも効果的。実山椒や唐辛子、からしも料理の風味を増し食欲を促します。いわしを煮るとき梅干しを入れると有機酸が生ぐさみをとって身くずれを防ぎます。柑橘類にも同じ効果が。みそ漬け、粕漬けは、みそや酒粕のたんぱく質、アルコール分、糖質が魚のにおいを除きます。
6.フライや天ぷらなど油料理で香ばしさ
魚は高熱で調理することによって、焦げによる香ばしい風味と香りが加わって食欲を誘います。揚げる料理法には、素揚げ、から揚げ、衣揚げなどがあります。衣の水分が多い天ぷらには、えび、いか、白身魚が向きます。フライやから揚げには赤身でも白身でも。フライの衣にチーズやパセリ、から揚げにカレー粉を加えると、さらにくさみを消してくれます。
7.エスニック風のたれで味付けをひと工夫
すりごまや唐辛子の入ったインドネシアの焼鳥のたれ、糸唐辛子やにんにく、しょうが、にらなどを加えたピリッと辛い韓国風のたれ、キムチやトウバンジャンを加えたたれ、トマトソース、チリソースなどの強い味は魚の風味をまったく新しく変えてくれます。既製のものを応用するなど、機転をきかせて試してみたいものです。
8.筒切りにするとレパートリーが広がる
3枚におろすのは苦手でも筒切りなら簡単。筒切りは、コイ、サバ、サケ、トビウオなど胴が丸い魚や長い体形の魚に用いる切り方で、魚の頭を落としてから骨ごと輪切りにします。わたは切り口から引き出したり、菜箸で押して抜けばよいです。厚さは好みにできるので、揚げたり焼いたりが自由、料理のバリエーションを楽しめます。サケやスズキの筒切りは豪華ですし、中型の魚はから揚げにしたり、マリネにしたり、たれと煮込んだり。ほかの素材との取り合わせの可能性も広がります。いつもは塩焼きにするさんまも3cmの筒切りにして、ローズマリー、オレガノなどのハーブ、白ワイン、オリーブ油を振ってオーブンで焼くと新しい一品に。
9.フードプロセッサでミンチ状にする
すり鉢でつくった魚のすり身も、今は、フードプロセッサなどで瞬時に魚をミンチ状にできます。魚をたくさん買ったときには、すり身にして冷凍しておけばいろいろ応用ができます。魚ぎらいの子供にもシーフードハンバーグやコロッケにして食べさせることができます。サケや白身魚は卵、生クリームなどを加えて、ムースやテリーヌに。カツオ、アジ、イワシは香味野菜やみそを混ぜて揚げると酒肴によい。